こんにちは。当ブログ EMMARINI では、廃棄時に環境負荷の大きいフッ素樹脂を使わずに済むよう、独自に開発した透明セラミックコーティングをご紹介しています。この技術は特許を取得し、現在は広く開放中です。

このコーティングは、どなたでも扱いやすく、アルミとの密着性に優れています。さらに、

  • 耐熱
  • 耐熱水
  • 耐紫外線
  • 耐薬品
  • 耐擦傷
  • 高い安全性 といった性能を備えており、日常使いにも安心です。
  • 直火、グリル・オーブン、食洗器(食洗器用中性洗剤推奨)もOKです。電子レンジとIHは使えません。

また、沸騰した水道水だけで黒染め描画ができるため、オリジナルの調理器具や食器づくりに幅広く応用できます。

今回は黒だけでなく、青とピンクの顔料を加えて茶器セットを制作しました。金属の強さと陶磁器(セラミックス)の温かみを融合させた、まさに「いいとこどり」の作品です。色彩のアクセントが加わることで、食卓に華やかさと個性を添えてくれます。

1.今回の作品例です。

盆、茶碗、急須からなる飲茶4点セットです。柄は夜空にきらめく花火をモチーフにしました。以下の工程からできています。

①お盆づくり

お盆の成形 アルミ板を切り出し、研磨で好みの光沢を出したあと、少し曲げて形を整えます。金属ならではのシャープなラインが魅力です。
花火柄の描画と黒染め 油性マーカーで花火柄を描いてマスキングし、1時間ほど沸騰水道水に漬けて黒染めします。マスキングを除光液で取り除くと、銀色部分が残り、描画が白黒反転した模様として浮かび上がります。
色付けの工夫 銀色の部分に、青とピンクの顔料インクを加えた透明セラミックコーティング液を淡く塗布し、花火の色を表現します。ヘアドライヤーで乾燥させた後、全体に無色透明のセラミックコーティング液を重ね塗りします。
仕上げの加熱 コンロで約250℃に加熱すると完成です。着色部分も黒染めもトップの透明コーティングにより色抜けせず、特に淡く着色した部分は金属光沢を保持するため、青とピンクがきらめいて見えます。

②お茶碗づくり

茶碗の成形  アルミ板をハンマーで叩いて絞り込み、丸みを出していきます。叩くほどに独特の質感が生まれ、手に馴染むフォルムに仕上がります。金属ならではの力強さと繊細さを感じられる工程です。
内側の黒染め  黒染めの際に茶碗を伏せておくと、沸騰でできた水蒸気の泡が部分的に黒染めを防ぎ、自然な斑入り模様が生まれます。偶然の表情が加わることで、ひとつひとつ異なる味わいが楽しめます。
外側の装飾 外側はお盆と同じく、青とピンクの顔料を使って花火柄を描きました。金属光沢と淡い色彩が重なり、夜空に広がる花火のような華やかさを演出します。

③急須の加工

市販品の急須を用意して、まずアルマイトを剥離剤で取り除きます。さらに180番の研磨で金属光沢を引き出し、その後に黒染めを施します。
DIY鍛造では難しい形状の急須も、この方法ならアルマイトを剥がすことでオリジナルの柄を描くことが可能です。アルマイトはパイプクリーナーに漬けておくだけでも剥がせるので、安く手軽に加工できます。
黒染めや柄付けの工程は、お盆や茶碗と同じ方法で仕上げています。これにより、茶器セット全体に統一感が生まれ、金属光沢と彩りが調和した作品になります。

2. 曲げや絞り(鍛造・鍛金)、アルマイト剥離、黒染め、染色の詳しい工程については、過去の記事で解説していますのでぜひご覧ください。

また、今回使用した透明セラミックコーティング液は当ブログショップで販売中です。環境にやさしく、扱いやすい素材ですので、オリジナルの茶器や調理器具づくりにぜひお役立てください。

 1)曲げについての記事

【多機能アルミ食器】飾る、曲げる、熱する、冷やす、洗う。軽量アルミニウム合金で今までなかった食器を作ってみました。 | Blog EMMARINI

【飾る、曲げる、熱する、冷やす、洗う】多機能アルミ食器と自作用コーティングをブログショップにて販売中です。 | Blog EMMARINI

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【錫皿とアルミ皿】錫のように手で曲がる食器をアルミで自作してみませんか?錫よりも安価で軽く、水道水で黒と銀色に装飾ができます。表面は透明な親水性セラミックコーティングで保護します。 | Blog EMMARINI

【曲がるセラミックコーティング】アルミ板に描画とコーティングをしておいて、後から折り紙のように曲げ加工ができます。密着力と極薄さで曲げに追随します。 | Blog EMMARINI

2)絞り(鍛金)についての記事

【DIYアルミ鍛金】アルミを叩いてぐい呑みを自作する方法。美しい金属光沢も黒染め描画も可能です。 | Blog EMMARINI

【DIYアルミ鍛金】DIYで作る、世界に一つだけのアルミ茶碗とシェラカップ。熱伝導が生む驚きの味覚体験と、形が崩れても美しく再生するアイデア | Blog EMMARINI

【DIY鍋づくり】世界で唯一のオリジナルお鍋を簡単な方法で手作りしよう! | Blog EMMARINI

3)アルマイト剥離についての記事

【DIY簡単アルミ表面処理】アルマイトをはがして黒染めし、透明セラミック(シリカ系)コーティングに置き換える方法 | Blog EMMARINI

【DIYでアルミ表面処理】アルマイト製キャンプ用食器調理器具を自分でリモデルしてみませんか。それほど難しくはありません。 | Blog EMMARINI

4)黒染め、色付けについての記事

【黒いアルミ玉】アルミ玉を沸騰水道水で黒染めする方法 | Blog EMMARINI

【DIYアルミ染色】アルミ食器を透明セラミックコーティングと食用染料でカラー化しました。黒染めと併用するとデザインの幅が広がります。 | Blog EMMARINI

5)開放特許、工業用、ブログショップについての記事

【特許アルミ用透明セラミックコーティング】フッ素樹脂とアルマイトに代わるアルミ製品用の新しい表面処理技術で特許を取得しました。SDGs対応、耐熱性、親水性、デザイン性に特徴があります。 | Blog EMMARINI

【工業用コーティングについて】 | Blog EMMARINI

   

世界にひとつだけの食器や調理器具を、自分の手で作ってみませんか。 軽くて扱いやすいアルミなら、ちょっとした空き時間でも気軽に楽しめます。

 陶芸との比較 陶芸は窯やろくろなど道具を揃える必要があり、気軽に始めるには陶芸教室に通うのが一般的です。

鍛金との比較 鍛金はハンマーとバーナー(コンロ)があれば始められますが、金・銀・銅・錫といった素材は高価で入手が難しく、ステンレスは硬すぎて加工が困難です。鉄の鍛冶はプロの領域です。

アルミの利点と欠点 アルミは安価で入手しやすく、磨けば非常に美しく、成形も比較的容易です。しかし、酸化によってすぐに曇ってしまうという欠点があります。この酸化被膜は腐食を防ぐ有益なものですが、見た目は1円玉のようにくすんでしまいます。

従来の加工法の課題 アルマイト加工は人工的に酸化被膜を作る方法ですが、やはり曇った質感になりがちです。さらに専門知識や設備が必要で、家庭で簡単に始められるものではありません。樹脂塗装も食器には有害なモノマー問題があり、一般の方が実施するにはあまり適していません。

EMMARINIの解決策 そこで当ブログ EMMARINI では、透明なセラミックコーティングを開発しました。ガラスと同じシリカ系でできており、厚生省基準もクリアしています。光の波長程度の極薄コーティングなので、アルミの輝きをそのまま保護できます。さらに、水道水だけで黒染めが可能になり、デザインの幅を大きく広げることができます。リサイクルも簡単で、やがては自然に帰ります。プラスチックやフッ素樹脂のように環境に負荷をかけません。

手作りの器でいただくお茶は、格別の味わいがあります。皆さまの食卓にも、彩りと楽しみが広がりますように。