アルミの黒化反応と極薄透明セラミックコーティング技術を使ってアルミの1円玉安物イメージを覆して高級品にしたいと思います。

(ブログショップへのリンクはこの記事の一番下に貼り付けています。)

機能性1:飾る(黒色と銀色の2トーン装飾)

こんにちは。当ブログEMMARINIでは、廃棄時の環境負荷が大きいフッ素樹脂を使う代わりにオリジナル特許技術の透明セラミックスコーティング処理したアルミ製フライパンなどの調理器具を紹介しています。今回は、この技術を使ってアルミの短所を克服しながら、長所を生かした多機能食器を試作しました。従来のフッ素樹脂などの塗装もしくはアルマイト表面処理では不可能なことができました。SDGs対応の高付加価値商品になってくれることが夢です。

油性インクでマスキングしてから沸騰水道水でアルミ露出部分を黒くします。この方法は簡単で、白黒反転も可能です。花火柄と矢絣柄をアレンジしてみました。

EMMARINIでは顔料や染料は使わずに沸騰水道水と接触するとアルミが黒くなる「黒化現象」を利用して絵付けすることができます。この黒化現象は水道水中の鉄分やカルシウム分がアルミニウム表面に非常に薄い層を形成することにより生じます。安全性についてはWHOでも無害であることが確認されています。しかし、この黒化だけでは耐久性はあまりよくないので、さらに透明なセラミックコーティングで熱、傷、汚れから保護しています。セラミックコーティングも厚生省告示第370号と食品衛生法ポジティブリスト基準を満たしています。また、アルミ自身が有毒だという風評が未だ残っていますが、当コーティングはシリカ系でアルミニウムの溶出はありません。

機能性2:曲げる(好きな形に)

ペンチやプライヤーなどで曲げることができます。けがをしないよう軍手をつけてください。ペンチで傷がつくので布をはさむと良いでしょう。
四辺を曲げて土手を作ると汁がこぼれないお皿になります。元にもどすこともできます。
四隅を45度にたたむと結構深くなります。底は裏側から押してひっこめるとがたつきません。板厚を薄くすると曲げやすくなるのですが、厚いほど重厚感が出るので悩みどころです。0.5~1mmが適当ではないかと考えています。

曲げることができる食器としては錫板が知られています。好きに曲げて食器の形を変えることができます。アルミニウム板も錫ほど柔らかくはないにしても曲げることができますが、これを無垢のままで使うと、汚れがついて簡単には落ちなくなります(古い1円玉みたいに汚くなります)。そこでEMMARINIでは厚さが1μmもない極薄でも頑丈なセラミックコーティングでアルミ表面を保護しています。厚さがこのように小さいと下地のアルミが曲がっても追随することができます。(注:極端な曲げや引っ張り、プレス絞り成型には対応できません。多数曲げ伸ばしを繰り返すと金属疲労を起こしますのでご注意下さい。錫は耐熱性が低く、熱伝導もアルミの1/4程しかありませんので後述の機能はありません。)

機能性3:熱する(フライパンとグリルプレート)

四辺を曲げてクッカークリッパーをつけるとフライパンになります(やっとこもOKです)。強火も弱火も急冷にも対応できます。ガス火でSiセンサーが作動するまで予熱するとくっつきにくくなります(IH、電子レンジには対応していません)。
目玉焼きもノンオイルで調理できます。くっついた場合は濡れふきんにのせて底を冷やすと熱膨張差で剝がれます。
このお皿を直火で熱しておいて、そこに熱いパスタを盛ると、余計な水分が蒸発してくれるだけでなく、パスタ自体が熱いままなので香ばしさとともにおいしくいただけます。
ガス魚焼グリルに入れると黒色が放射熱を集めるので予熱時間を短くすることができます。うちの両面焼きグリルではたった5,6分で表面が400℃以上になりました(プレートなしでは350℃が限界でした)。
最高においしいといわれる400℃ピザに挑戦です。くつかないアルミホイルとピザ生地を入れて2分後です。表面はチーズが溶けて焦げ目がついています。
反対側も焦げ目がしっかりついています。ピザ焼きのポイントは雰囲気温度だけではなく、床もあらかじめ400℃以上になっていないと外側カリカリ内側モチモチにはなりません。(器具やトッピング量によって温度差はある思われますので適宜調整が必要です)。

調理器具としてのアルミニウムの最大のメリットは400℃台に耐える耐熱性と熱伝導性です。EMMARINIのセラミックコーティングは薄いがゆえにこのメリットを生かすことができます。フッ素樹脂のように有毒ガスを発生したり、アルマイトのように亀裂が入ることもありません。厚めのセラミック製のグリルプレートのように熱伝導が悪くて400℃になるまで時間がかかりすぎる問題もありません。電子レンジには対応していませんが、グリルやオーブントースターでお皿ごと温めることは可能で、べたつきは少なくなります。

機能性4:冷やす(氷との相性)

お皿を冷蔵庫で冷やしておいてお刺身やトマトを盛ると冷たくて一味変わります。さらにアルミカップに氷を入れておくと、アルミは熱伝導が良いのでお皿の冷たさがキープされます。
アルミカップに冷酒を入れて一緒お皿にのせました。氷をいれないでも冷たさをキープできます。アルミ缶入りビールでもきっとうまくいくと思います。
アルミカップにおいしい水を入れて冷凍庫に入れると、アルミは熱伝導が良いので
数時間でおいしい氷ができます。冷蔵庫の製氷機能ではおいしい水は禁止ですし、製氷には一晩もかかります。
熱伝導が良いということは解凍も早くなります。お皿でアジの干物を解凍して、
くっつかないアルミシートをはさんで敷いてからコンロやグリルで焼くことができます。くっつかないアルミシートはシリコーンが塗ってあり、フッ素樹脂のように400℃でも有毒ガスは出てきません。このアルミシートとの相性は良く、お手入れがさらに楽々になります。ただし、シリコーンは数回しか使えません。

機能性5:洗う(お手入れ楽々)。

汚れの例として油性インキで落書きします。
濡れたスポンジで水拭きすると落書きを落とすことができます。

お手入れ性は食器にとって重要です。無垢のアルミやアルマイトは汚れが付きやすくお手入れが大変でしたが、この透明なセラミックコーティングは親水性なので汚れが落ちやすくなっています。食洗器にも対応しています(食洗器洗剤は中性タイプを推奨します)。もしも焦げ付いたときは研磨剤は使わずにメラミンフォームをお使いください。室温ならば弱酸性およびアルカリ性クリーナーの両方が使えます(塩酸などの強酸は使えません)。また刃物等先がとがったものと接触すると傷がつきますのでご注意ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

「飾る、曲げる、熱する、冷やす、洗う。全く新しい多機能アルミ食器いかがでしょうか。ブログショップでは、このアルミ食器を販売しているほか、ご自身で試してみたい方には透明セラミックコーティング液を販売しています。

また、アルミの食器に限らず、フライパンや道具などにコーティング処理した例と作成方法も別ページに多数記載していますので、こちらの方も是非のぞいてみてください。