アルマイト製品をリモデル。耐熱性、耐アルカリ性、硬度、清掃性が向上し、オリジナル模様も描くことができます。

1.はじめに

本ブログではアルマイト製キャンプ用食器や調理器具をリモデルする方法をご紹介します。アルマイトとはアルミ製品の腐食防止のために、アルミ表面を酸化して酸化アルミニウムの被膜を形成する技術です。腐食防止以外にも染料を用いてきれいな発色ができるなどの優れた性能がありますが、調理器具として用いた場合の最大欠点としておよそ100℃以上の加熱でアルマイト被膜に亀裂が入ってしまうことが挙げられます。フッ素樹脂のように誤って300℃程度に高温加熱されて有毒物質が発生するわけではないのですが、湯沸かしには使えるが炒め物焼き物には使えないということがアルマイトの残念な点です。

今回は、新品、亀裂が入ってしまった中古品にかかわらず、アルマイト被膜をセラミック(EMMARINIで特許を取得、シリカ系)被膜に簡単に置き換える技術を紹介します。このセラミック被膜は染料で着色することは困難ですが、水道水だけの黒染めが可能であり、被膜はアルマイトよりも頑丈で300℃の炒め物焼き物にも使えるほか、耐アルカリ性、硬度、清掃性が向上し、オリジナル模様も描くことができます。

2.まず、アルマイトをはがします。

アルマイトは水酸化ナトリウムのような強アルカリに溶ける性質があります。これを利用したアルマイト剥離剤が市販されていますので、これを利用すれば簡単にアルマイトを剥離することができます。

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アルマイト製品をこの液に浸漬します。夏場で27℃ですが、加熱しなくてもこんなに泡(水素ガス)が出てきます。詳細は剥離剤の取説をご覧ください。火気厳禁、ゴーグルと保護メガネ着用必須です。数十分後剥離するとアルミ下地の金属光沢が出てきます。導電テスターの通電性でも剥離を確かめることができます。剥離した後は、研磨仕上げも可能です。剥離後はメラミンフォームなどできれいに洗浄します。酸洗浄は不要です。

3.油性インクと沸騰水道水で黒染め描画します

耐水性油性インクで内外を描画します。招き猫と花火を描いてみました。これがマスキングとなってこの部分は染まりません。

重曹を一つまみ入れた沸騰水道水に1時間ほど浸漬すると黒く染まります。完全な黒ではなく、水道水の水質、アルミの品質と表面によって染まり方が変わってきます。

油性インクを除光液などの有機溶剤で取り除くと反転した模様が現れます。

4.仕上げに透明セラミックコーティングで表面を保護します。

EMMARINI製のセラミックコーティング液(ブログショップで販売)をスポンジキャップボトルで表面に塗って、ティッシュで拭きながら薄くのばしていきます。乾いたら同じことを計3回繰り返します。

オーブントースターで250℃10分間焼き付けます。セラミックコーティングの塗布を繰り返してもう一度焼き付けるとコーティングがさらに頑丈になります。グラファイトヒーターなら250℃加熱が可能です。通常のオーブンやガスコンロでも250℃焼き付けは可能です。

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これで出来上がりです。シェラカップの本体も作りました。

いかがでしたでしょうか?当ブログエマリーニでは、廃棄時に環境負荷の大きいフッ素樹脂(テフロン)に代わる材料を提案しています。上部のメニューボタンからホームページにぜひお立ち寄りください。