アクセント模様をつけることができます。雪平鍋がフライパン代わりになればもっと重宝ですね

毒物が発生するわけではないのですが、今のところ炒め物をすると雪平鍋は傷んだり、汚れが取れなくなることがあります。

雪平鍋は非常に便利です。軽いうえに銀色の表面が和風煮物料理の醤油の濃さ加減を見やすくします。さらには、ちょっとお湯を沸かすのにも便利ですし、お茶を煮出してもやかんより掃除がしやすいのが魅力です。煮物だけでなく、炒め物にも使いたくなってしまいます。

しかし、雪平鍋での炒め物は「やめてください」とほとんどのメーカーさんの取説に書かれています。「雪平鍋は煮込み料理のためのものです。炒める必要がある場合は先にフライパンで炒めてから雪平鍋に移してください。」とあります。これは、いくらなんでも不便すぎです。でもなぜでしょうか?

炒め物をすると、アルマイト(アルミの表面処理の一つ)では表面に亀裂が発生し、ステンレスでは鍋が変形してしまいます。

雪平鍋の多くはアルミニウムを陽極酸化という方法でアルマイト層と呼ばれる丈夫なアルミナ(酸化アルミニウム)を数十ミクロンメートルほどの厚さに被覆した材料が使われています。このアルマイト加工品は、耐久性の優れた材料ですが、欠点は150℃以上では、先に述べたアルミニウムとアルミナの熱膨張率と熱伝導率の違いで亀裂が入ってしまうことです。150℃は湯わかしには問題はありませんが、炒め物の200℃以上には耐えられません。つまり、炒め物をすると雪平鍋の表面が亀裂だらけになり、そこから腐食が始まったり、汚れがはまって取れなくなってしまいます。このため、アルマイトの雪平鍋では炒め物をしてはいけないことになっています。

それではステンレスではどうでしょうか?ステンレスの表面は酸化クロムというセラミックスで数十ナノメートル(アルマイトの1000分の1)被覆されています。この極薄被膜でも腐食から保護されているうえに、薄いために加熱しても亀裂は入りません。これならば炒め物には十分適しているはずで、実際ステンレスフライパンでは十分に機能しています。しかし、雪平鍋ではうまくいきません。なぜならば、雪平鍋は軽くなければならないということが大前提であるためです。ステンレスはアルミの3倍ほど比重がありますので、同じ重量にするには厚さを3分の1にしなければなりません。さらに、ステンレスの熱の伝わりやすさはアルミの10分の1程度しかありませんので、炒め物では炎や熱源のところだけに熱がこもり急激に熱くなって膨張するので肉厚の薄い雪平鍋ではぼこぼこに変形してしまいます。このため、ステンレス雪平鍋も炒め物には適していません。

フッ素樹脂(テフロン)コーティングは問題外です。

雪平鍋は料理の色が見やすいように金属光沢のある銀色でなければなりません。主に黒っぽい顔料の入ったフッ素樹脂コーティングでは論外です。加えて、フッ素樹脂は廃棄処理時の環境負荷が大きいため環境にやさしくなく、しかもはがれやすく寿命が短い問題があります。

無垢アルミ(アルマイト処理なし)は炒め物対応できますが、お手入れが結構大変です。

それならば、アルマイト処理していない無垢のアルミ雪平はどうでしょうか?当然アルマイト被膜がないので亀裂は発生しません。その代わり、何も保護するものがないので、腐食が速く、黒くなる変色も大きい上に、食材がくっつきやすくなります。このため、米のとぎ汁を数10分沸騰させて被膜をつけるのですが、これがあまり長持ちせず、ごしごし磨いてはとぎ汁処理を頻繁に行う必要があります。これが非常に面倒です。しかし、この不便さを我慢すれば炒め物も何とかなるのですが、不便ではあります。

無垢のアルミ雪平鍋はあまり売られていないので下記に紹介します。アルマイト処理されている商品が多く、このことが記載されていない商品も多いのでご注意ください。本ページはこの広告で収益を得ています。

ここからが新提案です。無垢アルミ雪平にEMMARINI開発のシリカ系セラミックコーティング処理してみました。

アルマイト処理されていない雪平鍋を購入して、当ブログEMMARINIオリジナルの特許取得技術でシリカ系のコーティングを処理してみました。このコーティングは薄いために加熱で亀裂が入りにくいため炒め物に適しているだけでなく、汚れが固着しにくい特徴があります。

EMMARINIのコーティングとアルマイトの比較。ミンチを炒めてからミートソースを煮込んで作りました。

比較実験のために半分処理の雪平鍋を作成しました。左半分がアルマイト、右半分がEMMARINIのシリカ系コーティングです。猫柄は独自技術で黒染めしました。
ミンチを炒めてから、トマトなどを加えて煮込みミートソースを作ります。
ミートソースが出来上がってしゃもじですくいました。アルマイトではミートソースがこびりついていますが、EMMARINIのコーティングではほとんどこびりつきません。
スポンジで水洗いしました。アルマイトではきれいになりませんでしたが、EMMARINIコーティングではお手入れ楽々です。

EMMARINIのコーティングとアルマイトの違いを下の表にまとめました。

比較項目EMMARINIシリカ系アルマイト
1.耐熱性約400℃約150℃
2.耐熱衝撃性強い(膜厚1μ以下)弱い(膜厚10μ以上)
3.非粘着性予熱すれば良好予熱すれば亀裂が入り粘着
4.耐剥離性強い強い
5.鉛筆硬度6H~9HH~2H
6.熱伝導性大(膜厚が小さいため)中(膜厚が大きいため)
7. 清掃性親水性でお手入れらくらく不良(親水性も撥水性も弱い)
8.着色性銀と黒対応多彩
9.環境負荷
10. 耐食性アルカリに小
11.製造工程前処理は脱脂、塗装はディップ、焼き付け、で簡便前処理は脱脂、浸漬通電、封孔で、前処理工程が煩雑なのが難点

いかがだったでしょうか。EMMARINIのコーティングでアルミ雪平鍋では炒め物が可能です。煮物だけでなく、炒め物にも対応できるうえ、お手入れがらくらく、環境にもやさしいという特徴があります。

EMMARINIでは、アルミへのシリカ系コーティング技術で特許を取得し開放しています。炒め物ができる雪平鍋も含まれます。工業的にご関心がある方は下のボタンをクリックしてください。