今回はフェルト製のガーランドを型にして、鉄フライパンにハロウィン柄をステンシル技法で転写しました。鉄の青黒い酸化被膜と、鉄本来の銀色のコントラストが映えます。

当ブログエマリーニでは、環境負荷の大きいフッ素樹脂を使わないフライパンの技術について紹介しています。今回は、鉄フライパンに、フェルト製のハロウィン用飾り(100均で手に入ります。ガーランドと言います)を用いて簡単に描画する技術を紹介します。フッ素樹脂がないからこそ、ご自身でフライパンを再生できますし、デザインを楽しむこともできます。

まずは作品例をご覧ください。

魔女、ジャックオーランタンと猫を描画しました。
転写に用いたフェルト製ガーランドです。猫柄はシールを用いました。すべて100均で手に入ります。

作り方は以下の通りです。

鉄フライパンを銀色になるまでサンドペーパーなどで磨きます。電動ドリルがあれば簡単です。鉄フライパンは中古品でもかまいません。

フライパンをバーナーであぶります。炙り料理用バーナーです。加熱によって茶→紫→青→水色に変化していきます。お好みの色にしてください。

バーナーで色が着いたら、フェルトのガーランドをスプレーのりで貼り付けます。文字ははがせるシールペンで書きます。これに透明なラッカーをスプレーしてマスキングします。

ガーランドを剥がすと、ラッカーで覆われていない部分が露出します。

露出した部分の着色をサンポール(9.5%塩酸)で溶かします。

青い着色が消えて、鉄本来の銀色になります。ラッカーで覆われた部分にはサンポールは浸透しないので着色は消えません。サンポールが嫌な方はクエン酸も使えます。ただし、弱酸なので時間がかかります。

ラッカーがあると調理に使えませんのでラッカー薄め液できれいに取り除きます。描画はそのまま残ります。仕上げにアルカリ洗剤(レンジ用など)とメラミンフォームで洗浄すると良いでしょう。アルカリは描画は消えませんし、腐食も起こりません。

仕上げに食用油(オリーブオイルなど)を塗って錆止めにします。

鉄のフライパンの取り扱い方法で最も重要なことは錆び止めです。一般的な鉄フライパン取り扱い方法とほぼ同じです。

1.洗浄後は必ず食用油を塗って保管してください。油がない状態で保管すると必ず錆びます。

2.塩分と酸は鉄を特に腐食させます。調理後は料理をすぐに取り出して、水洗いしてください。

3.煮込み料理は油の皮膜が落ちるのでなるべくならやめた方が良いでしょう。

4.錆びたり、焦げ付いた場合はメラミンフォームで落としてください。研磨剤を使うと絵が取れてしまいます。そして再び油を塗ってください。

エマリーニでは油を塗る代わりに透明なジルコニアセラミックスでコーティングしています。これで錆と焦げ付きがかなり防ぐことができます。工業用途でご関心がある方は、メニューボタンから工業用途のページにお進みください。