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Pomodoli pan

 前回の投稿では、アルミフライパンを自然発色させて、文字や絵を描いて装飾できることを紹介しました。発色させても無害なので、調理に使うことができます。

 アルミフライパンはお湯をわかすと黒く発色します。これを利用します。

 アルミフライパンや鍋を長く使っていると黒くなってしまった経験はありませんか?これはアルミの「黒色化反応」と呼ばれるもので、水道水中の鉄イオンとカルシウムイオンがアルミニウムと化学反応して黒くなってアルミ表面にくっついてしまう反応です。無毒であることは証明されているのですが、見た目が悪いので困ったものです。これを防ぐためには、米のとぎ汁を煮立てて皮膜をつけたり、それでも黒くなったらお酢を薄めて煮立てて溶かしてしまう必要があります。このような面倒が、アルミフライパンの取り扱いにくさの原因の一つかもしれません。しかし、このような黒色化反応を利用して文字や絵を描ければ、フライパンの使い方が変わるかもしれません。それではさっそく作り方を紹介しましょう。

 まずは、アルミフライパンを黒くします。

 アルミフライパンを磨いてアルミニウム金属を露出させます。古いフライパンだと油がこびりついていて、うまく発色しないのでさらによく磨いてきれいにします。磨き終わると、きれいに洗って水道水を満たして20分くらい沸騰させると黒くなります。黒くするのは簡単です。水質によって黒さ加減が変わるようです。お住いの地域ごとに色が微妙に変わるかも知れません。また、野菜などを一緒に茹でると色が変わってくるようです。蒸留水では、不純物がないので色はつきません。

黒さは均一にはなりません。白いぽつぽつうやムラ出ることが多いです。しかし、これが自然の良さで、デザインに生かすことができます。

一方法として、黒くなった部分をミニ―ルータかやすりで削って文字や絵を描きます。

 黒くなった部分を削ると元のアルミニウムが露出するので白銀色になります。これが黒と良いコントラストになります。やすりでも削られるのですが、ミニターという小さいドリルを使って削ると作業がはかどります。また、写真にも示したように、いろいろなビットと呼ばれる先端工具があるので、いろいろなテクスチャーを出すことができます。彫刻しないでステンシル技法でマスクしてから黒くする方法もあります。

しかし、このままでは実際に料理に使うとあまり長持ちしません。絵を保護する方法は次回述べます。

 以上、アルミニウムフライパンへ文字や絵を描く方法を紹介しました。もちろん、無害ですので、実際の料理に使うことができます。しかし、このままでは料理に使った場合、描画はあまり長持ちしません。削った部分も黒くなってくるためです。このため、描画を保護する必要が出てきます。次回はこの絵を保護する方法について述べます。

参考文献