シラクサ行き快速電車。白草ではありません。シチリアのアルキメデス終焉の地。

前回の投稿で、樹脂にセラミック粉を入れてコーティングしたフライパンもセラミックコーティングフライパンの一形態であることを説明しました。それでは、この樹脂入りセラミックコーティングフライパンとはどのようなものでしょうか?答えはフッ素樹脂コーティングフライパンと大体同じです。つまり、フライパンのコーティングとして高温に耐えられる樹脂はフッ素樹脂しかなく、セラミックスを混ぜてもフッ素樹脂の性質が反映されます。あたりまえですよね。

フッ素樹脂を用いたセラミックコーティングフライパンの主たる特徴は、水をはじいてくっつきにくいが、260℃以上の温度で劣化する。

つまり、今までのフッ素樹脂コーティングフライパンの特徴と同じです。今までのフッ素樹脂コーティングにもセラミックスは入っていましたし、セラミックスを入れたところでくっつきにくくなるわけではなく(くっつきにくいのはフッ素樹脂本来の性質)、フッ素樹脂自体の耐熱温度が上がるわけではありません。それでは、なぜフッ素樹脂コーティングと言わずに、セラミックコーティングかというとこれは各メーカーさんの商品に対する気持ちだと思います。例えば遠赤外線放射セラミックスを配合した場合は「遠赤外セラミックスコーティング」と称したほうがわかりやすいですし、ダイアモンド(これもセラミックスの一種)を配合した場合は、逆にセラミックとは言わず、ダイアモンドコーティングと称したほうが商品価値は高いでしょう。マーブルコーティング(大理石)も高級感が出てきます。大理石の別名で炭カルコーティングとはだれも言わないですね。逆に、地方自治体のごみ袋には炭カル配合とされていますが、大理石配合とは書かないですね。つまり、みんな石灰石のことです。さらにフッ素樹脂は、正しく処理しないと人体と環境によくないとする説もあるため、できるだけ表記したくないという思いがあるかもしれません。以上まとめますと、配合するセラミックスによってフライパンの性質は変わってきますが、くっつきにくさと、耐熱温度は大体フッ素樹脂によって決まります。つまり、セラミックコーティングだから耐熱性が高いと思って、強火の高温で使ってしまうと劣化してしまいます。これが誤解の第一のポイントです。どうぞ、どのようなタイプのセラミックコーティングフライパンか事前にご確認ください。樹脂入りかどうか取扱説明書で確認してください。取説がない場合は、水で洗ってみて、水滴が玉になるようであれば、大体がフッ素樹脂入りです。

樹脂を含まない純粋なセラミックコーティングフライパンに、フッ素樹脂をうすくコーティングしたフライパンもある。

このタイプはについては私にもメーカーさんの意図がよくわかりません。使い始めのくっつきにくさは間違いなく抜群なのはわかりますが、かなり気を使って取り扱わなければならないはずです。フッ素樹脂は決して硬いものではありません。また、耐熱性が改善されるわけでもないはずです。この技術は、自動車のリアとサイドガラスの撥水化に期待されてきた技術と思われます。しかし、フライパンには過酷すぎるのではないでしょうか?純粋に胸を張ってセラミックコーティングだけでよいのではと思います。

セラミックスコーティングは半年しか持たなかったというネット投稿を時々見かけます。セラミックスはそんなやわのものではなく、たとえフッ素樹脂をバインダーとして使ってもここまで弱いものではないはずです。これはこのようなフッ素樹脂をセラミックスにコーティングしたフライパンだったのではないでしょうか?

 

次回は、純粋なセラミックコーティングフライパンについて紹介します。フッ素樹脂とは思いっきり異なります。