前回の投稿で、ステンレスフライパンでもフッ素樹脂加工と同じように、油を引かなくてもいろいろな料理をくっつかせずに取り出すことができることを紹介しました。今回は、くっつきやすい目玉焼きの調理方法についてまず紹介します。

これがステンレスフライパンでのノンオイル目玉焼きの調理方法。センサー付きコンロなら楽ちん

 ①きれいに洗ったステンレスフライパンを250~300℃に予熱します。最近のSiセンサー付きガスコンロの場合は、あぶりや高温炒めモードにすると290℃で自動的に弱火になり、それ以上温度が上がらなくなります。温度計がなくても勝手に適温に調整してくれるので楽ちんです。うちのはガスコンロですが、IHコンロでも同じように自動調整機能がついていますので確かめていただければと思います。センサー付きコンロ例です。

 ②油を引かずに生卵を割りいれます。ジュッと音がします。白身が固まり始めたら、少量の水を入れ蓋をして蒸し焼きにします。弱火か消火します。半熟がお好きな方は、水を入れてすぐに消火して、余熱のみで調理してもかまいません。弱火にしないと黒焦げになってしまうので要注意です。

 ③別に、濡れた布巾を用意しておき、火からおろしたステンレスのフライパンの外側底をジュ―と音がしなくなるまで冷却します。

 ④へらを用いて目玉焼きをゆっくりとはがします。周囲は少しはがしにくいことがあるのでこわさないようにゆっくりとしたほうが良いでしょう。

くっつかないポイントは予熱と冷却

 ステンレスフライパンで油を引く目玉焼き調理と違う点は、高い予熱温度と、加熱後の底の冷却が必要になることです。油を引かないフッ素コートフライパンでの調理との違いは、最初の高温加熱による食感の違いになります。フッ素コートでこのような高温予熱や急な冷却をすると目玉焼きでなく、コーティングの方もはがれやすくなるので決してしないでくださいね。どの調理方法がおいしいかは人それぞれですが、少なくとも食感は違ってくると思います。 今回は、目玉焼きを紹介しましたが、他の食材や、なぜステンレスでくっつかいない理由やこれの応用などを今後紹介していきたいと思います。

追加:蒸し焼きにしないと少しくっつきました。

 手順②で水を少々入れてから蓋をして蒸し焼きにしました。これで早く火が通りますが、目玉部分が白くなります。これが好きでないときは蓋をしませんが、くっつき方がどうなるか試してみました。ほかの手順は同じです。結果、少しくっつきが多くなりましたが、目玉は黄色く、パリッと感が増しました。

追加:予熱をしないと油をひいてもくっつきました

 予熱なしでや、点火してすぐの温度が低い状態(温度を測ると、200℃以下)で卵を入れる実験も行いました。油を引かない場合の結果は悲惨で、目玉焼きが完全にくっついてしまい、外側を濡れ布巾で冷やしても、目玉焼きを壊さずに取り出すことができませんでした。下に比較の写真を示しました。


 また、予熱して油を引くとぐっと取り出すのは楽になりましたが、予熱を全くしない状態で油を引いてもくっついてしまいました。これら結果は当たり前ですよね。

フライパンでなく、お鍋で炒める時もコンロのセンサーが作動するまで予熱すればほぼくっつくことはありません。フッ素樹脂加工されていない、ステンレス以外のアルミやセラミックスでもこの予熱でかなりくっつきにくくなります。ぜひお試しください。

参考文献

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