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ブログEMMARINIでは、ゾルゲル法親水性セラミックコーティングをステンレス、アルミニウム、メッキなどの金属に処理して汚れを落としやすくする技術を紹介しています。過去ブログで、フライパン、シンク、水栓金具などを紹介してきました。今回はステンレス製時計バンドです。

ガーミン社製Suica機能付きのスマートウォッチです。運動だけでなく、仕事にも使いたいのでステンレス製バンドにしました。時計バンドのお手入れについては取説にもかなり詳しく書かれています。

ガーミン社製のスマートウォッチです。Androidoスマホと連動します。最近Suicaが使えるようになりました。
時計バンドは「ミラネーゼ」と呼ばれるステンレス製メッシュが使われています。メッシュだと風通しは良いのですが、穴の中に汚れがたまりやすくなります。

取説によると、「ステンレス製時計バンドが汗や皮脂で汚れると、ステンレスが塩分で腐食しやすくなるだけでなく、微生物が繁殖して肌がかぶれやすくなる。」とされています。このため、水洗いが推奨されています。

金属製時計バンドは肌にとって要注意。さらに詳しく解説します。

1)  ステンレスは本来腐食(さびる)しにくいのですが、汗のように塩分があるとかなりさびやすくなります。

2)皮脂は微生物繁殖の養分となり、酸などの分泌物によってステンレスはさらに腐食しやすくなり、同時に肌荒れの原因になります。

3)ステンレスが錆びる時に、肌に微小な電気が流れます。つまり、人間が電池になってしまいます。これが金属アレルギーの原因と考えられています。腕時計以外に金歯や貴金属ネックレス、インプラントなど他にもを金属を体に付けていると、それぞれが電極となり体全体が電池になりかねないと考えられています。電池反応で皮膚炎が生じる可能性があります。

つまり、ステンレスバンドを不潔なままほおっておくと、単に腐食の問題だけではなく、微生物作用と電池作用も加わって肌が荒れてしまうことになります。取扱説明書の指摘は全く正しいと考えます。

また、皮脂についてはユニットバスメーカーから伺ったのですが、人間の皮脂汚れは非常に落ちにくいそうです。このため蓄積されやすく、カビなどの微生物の栄養源になるそうです。時計バンドも然りだと思います。

時計バンドに親水化処理して、汚れの落ちやすさを調べた動画です。

時計バンドは互換のミラネーゼメッシュのステンレス製です。中央から右半分を親水性コーティングで処理しています。汚れは皮脂の代わりに赤い油性インクを使っています。親水性コーティング処理は、コーティング液に漬けて塗布し、オーブントースターで焼き付けます。

まずは、スポンジで水洗いしましたが、ステンレスままでは汚れは全く落ちません。親水処理では、かなり落ちるのですが、それでもメッシュの穴の中の汚れは残っています。次は、歯ブラシを使いましたが、依然としてステンレスままでは全く落ちません。親水処理ではほぼ汚れを落とすことができました。

ステンレス時計バンドの汚れ落としは相当厄介なようです。

皮脂と油性マジックの汚れのどちらがより強力かはわかりませんが、どちらも液体ではなく固まると、水で流した程度できれいにならないのは当然と思われます。それにしても、ステンレスままでは歯ブラシでも汚れが全く落ちないのはかなりショックでした。親水性コーティングは、かなり改善されるので、時計バンドの防汚処理としては有効と考えられました。時計は防水仕様なので、お風呂に一緒に入ればきれいになりそうです。

親水性コーティングはセラミックス製で電気を通さないため、電池にもなりにくいと考えます。

先ほど、ステンレスは電池になって、肌荒れの原因になると申しましたが、親水性コーティングは絶縁性で電池の電極にはなりません。このため、電池反応により金属アレルギーも緩和されるのではないかと考えました。ただし、私自身に金属アレルギーがないため、確認はできていません。

参考文献

Suica対応ガーミン社製スマートウォッチ

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