当ブログEMMARINIでは、ゾルゲル法と呼ばれる透明セラミックコーティング技術を用いて、アルミフライパンに文字や絵を描いた作品を紹介してきました。このコーティング技術はちょっと複雑だったのですが、誰でも簡単にできるように改良することができました。前回のブログ投稿では、あらかじめ黒染めしたアルミフライパンに、お客様自身で絵や文字を彫刻していただいて、それを透明セラミックコーティングで保護していただければ、実際に料理に使えるフライパンができることを紹介しました。これならば、多くの方々に、フライパンに自分自身で文字や絵をデザインして楽しんでいただいて、さらにはそのフライパンで料理も楽しんでいただけるようになりました。このセラミックコーティングは食品衛生法適合品で、フッ素樹脂よりも高温で使える上に、予熱をすればくっつきにくく、親水性でお手入れ楽ちんという特徴があります。

今回はアルミニウムの黒染めもお客様に実施していただくことにしました。

黒染めというと大げさに聞こえるかもしれませんが、EMMARINIで実施している黒染めは、アルミフライパンを水道水で沸騰させるだけの簡単な技術です。みなさんもアルミの鍋を長く使っていると黒くなってくることはご承知と思います。これは、アルマイト加工が剥がれてアルミがむき出しになると、水道中の鉄とカルシウムが沈着して黒くなる「アルミニウムの黒化反応」と呼ばれるもので、EMMARINIではこの黒化反応を黒染めに使っています。黒色の化学成分は水道水に含まれる鉄とカルシウムですので全くの無害であることは証明されています。お客様自身で、絵や文字を彫刻、これの黒染め、そして透明セラミックコーティングまで実施していただいて、より幅広いデザインのオリジナルフライパンを自作して、インテリアと料理の両方で楽しんでいただけるのではないかと考えました。

このフライパンは、結婚、開業、新築などのお祝いのオリジナルなプレゼント、キャンプギアとしても最適と思います。

以下マニュアルです。(コーティング液は現在工業用のみの対応になっています。メニューボタンから工業用ゾルゲルコーティング液のページにお進みください。)

自作の大きな流れは以下の通りです。前編ブラックバックとは少し異なりますのでご注意ください。

1.基板となる透明セラミックコーティング下処理した銀色のアルミフライパンとゾルゲルコーティング液のキットをブログショップEMMARINIで販売しています。これをご購入ください(ご購入前に本ブログを読んでご検討ください)。

2.お客様自身で、お好きな絵や文字を下書きしてから基板に彫刻していただきます。彫刻した部分はざらざらになり、アルミニウムがむき出しになります。

3.お客様自身で、このフライパンに水道水を入れ(蒸留水やイオン交換水は不可)沸騰させていただきます。30~60分保温していただくと、彫刻した部分が黒くなります。

4.ゾルゲルセラミックコーティング液を絵や文字を含めてフライパン全体に塗布していただだきます。コーティングはガスコンロで焼き付けていただきます(アルミフライパンなのでIHコンロには対応していません)。これで完成です。

完成作品例を紹介します。

準備いただくもの

1.EMMARINIから送付されたセット=フライパン、コーティング液をしみこませた紙(ジッパー袋入り)、ポリ手袋、メラミンフォーム

2.ご自身でご用意いただくもの=切削工具(リューター、やすり、釘、ドライバーなど傷をつけられるもの)、保護メガネ、ティッシュペーパー、センサー付きガスコンロ、水道水

以下工程の詳細です。(見本のため、実際の商品とは異なります。)

完成品は飾りだけでなくもちろん実際の調理にも使っています。キャンプでは、写真のように金属光沢が森の緑を反射します。軽くて、洗剤なしの水拭きで汚れが落ちるため重宝です。テフロンのように熱くなりすぎて壊れる心配もありません。環境負荷の小さいSDGSな一品です。
ブラックバックと並べてみました。

作品への出来、不出来には責任を負いかねますのでどうぞご了解お願いいたします。作品をインスタグラムで発表されてはいかがでしょうか?一般名詞で極端に投稿が多くない #アルミフライパン とかはいかがでしょうか?拝見させていただければ幸いです。

参考文献

電動工具リューター(楽天市場)