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前回の記事では、アルミフライパンに黒い自然発色で絵を描き、ゾルゲルコーティングで覆うと絵が守られて、実際の料理にも使えることを紹介しました。今回は、アルミ中華鍋に竜の絵を描きました。絵のある中華鍋はみたことがないので、一度やってみたかったデザインです。

中華鍋は鉄製が一般的で、重くて錆びやすい。アルミは軽いがくっつきやすい。フッ素コートは強火厳禁なので炒め物に向かない。

中華鍋といえば鉄製が一般的です。300℃高温、強火OKですので、中華料理にとって必須アイテムです。ただし、鉄は錆びやすく、くっつきやすいので面倒な油まわしが必要なのと、重いのが欠点です。アルミは軽い上に、300℃高温まで強火もOKです。さらに熱の伝わりが良いのですぐに熱くなり、スピード調理ができます。しかし、油は必要で、汚れがつきやすく、手入れがしにくいという欠点があります。フッ素加工は、油不要でもよく、汚れがつきにくく、手入れがしやすいのですが、高温と強火が厳禁ですので、炒め物などの中華料理には適しませんでした。みな一長一短です。そこで、アルミ中華鍋に、ゾルゲルコーティングで絵を描き、料理するとどのようになるか試してみました。

ドラゴン中華鍋と名付けました。

 作り方は、前のブログと同じです。アルミの自然な黒色化反応、ステンシルや彫刻を用いての描画、最後にゾルゲルコーティングで表面を保護します。

竜の中華鍋
銀色のアルミに黒い竜が映えます。これはタトゥーシールで下絵を描きました。中華といえばなんと言っても龍です。

高温モヤシ炒めに挑戦しました。

強火の高温炒め物といえば何とってもモヤシ炒めです。簡単なようで奥が深い料理です。このドラゴン中華鍋をガスコンロの「あぶり高温モード」で予熱します。通常モードの250℃よりも高い260~290℃で自動的に弱火になります。まず、豚肉を入れます。油は不要です。肉で温度が下がると自動的に強火にもどり、また260~290℃になると自動的に弱火になります。肉がくっついているときは焼き不足ですので1分位がまんして待つと豚肉から油が出てきて勝手に剥がれます。豚肉に火が通ったら、水切りしたモヤシを入れて最強火で1分炒め、醤油をたらします。これで出来上がり。ここでは油を使いませんでしたが、油を使って風味を変えることも可能です。

食感は、シャキッシャキ。これが食べたかった。

モヤシは、強火で水分を速やかに蒸発させることができるので、シャキッシャキに仕上がりました。弱火炒めのべちゃべちゃとは違います。甘みも感じます。鉄鍋よりもアルミは軽いので鍋振りも疲れません。軽さは必要です。

お手入れも簡単

お手入れも簡単です。くっついていないのでスポンジと水洗いで十分です。鉄のような錆止めの油処理は不要です。ゾルゲルコートは親水性で汚れが落ちやすいのと、腐食防止できるのがよいところです。もし、焦げてもメラミンフォームで擦ると良く落ちます。

気を付けること

このドラゴンに限らず、中華鍋全体で気をつけなければならないことがあります。まずは、取っ手が熱くなることです。取っ手も金属であるため、非常に熱くなります。軍手では十分でなく、分厚い耐熱の手袋が必要です。うっかりつかんでしまうことがあるので私は竹の筒を削ってはめ込んでいます。また、底が球面で鍋本体が傾きやすいので中華鍋用の補助五徳を使うのが安全のため良いと思います。

ドラゴン中華鍋の禁止事項は、金属へら、スチールウール、研磨剤など傷をつける手入れです。ゾルゲルコーティングはフッ素コーティングよりも硬いのですが、それでもこれらに対しては傷がついてしまいます。これらがなくても、シリコーンのへらが使えますし、焦げ付いたときは、軽い場合はメラミンフォームで簡単に取れます。ひどい時は水を沸騰させたり、室温で重曹でこすると汚れは簡単に取れます。アルミ鍋は通常このようなアルカリ洗浄は腐食するので厳禁ですが、ゾルゲルコーティングのおかげで可能になります。

次回はイタリアン用アルミフライパンを紹介します。