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aluminum flyingpan tomato
アルミフライパンの底を黒く発色させ、ミニトマトのアイコを彫刻しました。

前回の投稿では、アルミフライパンを水道水で黒く染色し、それを削って絵や文字を描く方法を紹介しました。黒い染色は自然な発色で、安全性も確認されているため、飾りだけではなく実際の調理にも使うことができます。

しかし、黒い発色があまり丈夫ではないために色が消えたり、逆に彫刻した部分が黒くなって絵が見えにくくなる問題がありました。そこで、この描画を安定させるために透明な無機物で描画をコーティングして保護することをやってみました。ここからは、専門的な技術になります。

無機物コーティングは「ゾルゲル法」という方法。透明なセラミックスコーティングを作る方法です。

ゾルゲル法は、無機化学が専門の方に馴染みがある技術ですが、一般的では正直ないです。薄いセラミックスの膜を金属やガラスの上に作ることができます。無機物は硬く、熱や薬品に強く、透明であるためアルミニウムにコーティングすることができます。傷や汚れ防止など工業製品にもよく使われています。セラミックスコーティングもゾルゲルコーティングも無機物同士ですので同じ部類になりますが、セラミックスは不透明な陶磁器というイメージです。ゾルゲルコーティングは、かならずしもそうとうは言えないのですが、薄くて透明なガラスというイメージです。ゾルゲルは物というよりも製造方法を表すことが多いようです。セラミックスコーティングと区別するために本ブログではゾルゲルコーティングとしました。また、ゾルゲルコーティングはアルミニウム基材表面を化学変化させるアルマイトとも違うものす。 

コーティングの前後の見た目はほとんど変わりません。

前回の投稿でご紹介したミニトマトを彫刻したアルミフライパンにゾルゲルコーティング処理をしました。透明なためコーティング処理したことがほぼわかりません。金属光沢もそのまま残り、アルマイトのようなマットにはなりません。。

ゾルゲルコーティングで表面が保護されます。さらに、調理物がくっつきにくく、お手入れが楽になります。

ゾルゲルコーティングの効果を確かめるために水道水を沸騰させてみました。アルミニウムは熱湯と接触すると黒くなるのですが、ゾルゲルコーティングによって、これ以上は黒くなりませんでした。トマトの絵も銀色のままで安定になりました。黒いバック部分も安定化できました。

ハムエッグの油なし調理もできます。かなりくっつきにっくなります。また、アルミニウムだと汚れが落ちにくいのですが、ゾルゲルコーティングのおかげで簡単に落ちます。調理方法は、過去ブログのステンレスフライパンと同じ方法です。300℃近い予熱と底を冷却すると、油なしでもくっつかずに取り出すことができます。予熱と冷却は必須です。これは、過去の記事で紹介したステンレスフライパンと同じ方法です。アルミフライパンをゾルゲルコーティングするとステンレスのように化学反応しにくくなります。ただ、予熱後、少しの油を引くとさらにくっつきにくくなります。これは、フッ素コーティングフライパンでも見られることと同じです。

 ゾルゲルコーティングはアルミニウムと相性が良いようですので、今後もいろいろな情報をアップしていくつもりです。