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ブラックアルミニウムフライパンに虹色を出してみました。黒い部分で虹色が良く見えます。

ブラックアルミニウム表面に薄くコーティングすると虹色の光沢が現われます。

ブログEmmariniでは、アルミフライパンを沸騰した水道水で黒色に着色して、それをゾルゲル法と呼ばれる方法で透明なセラミックスコーティングで保護し、安全に実際の調理に使えるようにしています。黒色で文様が描けるため、種々のデザインが可能です。今回は、セラミックコーティングを使ってこれに色を付けてみることにしました。

着色,には染料や顔料を使うわけにはいきません。

着色はカラーアルマイトのように染料を用いれば簡単と思えるのですが、これの耐熱温度はせいぜい200℃位で、フライパンの高温300℃には耐えられません。さらに、食物と接するフライパンの内側に使うには安全性の問題があります。また、大きい粒子の顔料だと、フッ素樹脂やセラミックコーティングのようにコーティング層が厚くなり、透明感がなくなるばかりでなく、急熱急冷に弱くなってしまいます。このため、Emmariniフライパンでは、染料と顔料は使うことができませんでした。

着色は、光の干渉を利用しました。7色の虹色になります

光の干渉による虹色とは、シャボン玉、水に浮いた油膜、真珠あるいはCDなどが虹色に見えるのと同じ現象です。これらは、染料や顔料による発色ではなく、非常に薄い膜に反射した光が干渉によって虹色に見える現象のことです。染料や顔料を使っていないので、安全性や耐熱性に問題はありません。

虹色はコーティングの厚さが、可視光線の波長と同じ程度になったときに出現します。

光の干渉については、多くの方がネットで紹介されていますので詳しくはそちらを参考にしていただければと思います。今回のアルミフライパンで虹色を出すためのポイントは、

1) 可能な限りアルミニウム表面をつるつるに磨く

2)コーティングを可視光線の波長(0.5ミクロン前後)にする。

ただ、Emmariniは手作り品ですので、つるつるに磨くといっても限界があります。バフで研磨しても鏡面にするのは不可能です。また、コーティングの厚さも、均一にするのは不可能で、ばらつくのは仕方ありません。それでも、光線の加減で虹色は出てくれました。各色が混在しているようになりました。また、見る角度によって色が変わってきます。コーティングを厚塗りにすると、色はつかなくなります。

マンダラ模様に虹色を付けてみました。宇宙的イメージが出てきました。

マンダラの中心付近と周囲に虹色が見えます。
中心付近を接写すると、赤、青、緑、紫などが混在しているのがわかります。

虹色がついても性能はそのままです。

今回の虹色の正体は光の干渉色によるものですので、コーティングの性能には影響ありません。強火で300℃加熱可能で、予熱をしておけば油なしでも食材はくっつきにくくなります。親水性で、防汚性が良く、お手入れも楽なままです。

参考文献