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ブログ EMMARINIでは、アルミニウムのほかステンレスにも親水コーティング処理して図案を描いてみなさんに紹介しています。親水処理の特長の第一は油汚れ落ちやすくなりお手入れが楽になることです。このため、フライパンやシンクなどへの処理を紹介してきました。今回は、水栓金具(フォーセット、蛇口、シャワーヘッドなど)に処理してみました。水栓金具は昔は文字通り金属製品でしたが、最近は樹脂にクロームなどの金属メッキ処理されることが多くなってきました。中身がプラスチックスなので軽いですが、見た目は金属です。

ここでは、ブラックステンレスで紹介した、黒と透明の親水処理コーティング塗料を使いました。この塗料はセラミックスなので金属には塗装できるのですが、プラスチックには簡単にはくっつきません。しかし、金属メッキしてあると、これがプライマー(接着を仲介)になるため、塗装可能になります。

水栓金具にマンダラ模様を描いてみました。シャワーヘッドには黒猫です。

ステンシル技法でマンダラと猫を黒塗料で描き、全体を透明でカバーしています。沸騰水には長期間耐えられませんが、60℃のお湯には大丈夫です。お風呂では沸騰水は使わないので問題ありません。

親水性で汚れが落ちやすくなる動画です。口紅で実験しました。

ルージュでハートマークを描きました。通常ではこの伝言は簡単には消えないのですが、親水コーティングではシャワーで消えてしまいます。

水垢汚れも目立ちにくくなりました。

水栓金具の問題は水垢汚れ。これも親水処理で目立ちにくくなりました。

コーティング前の状態です。水垢で石目模様になっています。お風呂用洗剤とメラミンフォームで磨けば落ちるのですが、すぐにこんなになってしまいます。

マンダラを描いた親水処理後です。水垢はついているのですが、目立ちにくくなっています。

水垢は油汚れではありませんが、親水性で水滴が広がり流れ落ちやすくなるためと考えています。

水垢は、水道水中のカルシウムやシリカといったミネラル分が乾燥してこびりついたものです。油汚れではないので、親水表面にくっついても油を含む口紅のように水で落ちやすくなることはありません。しかし、目立ちにくくなるのは事実です。理由を図で説明します。

親水処理がない場合。上図はメッキ面(Metal Plating)に水滴がついたところです。メッキ面は親水性ではないので、水滴は丸くなります。下図は乾燥したところを示しますが、水中のミネラル分が水垢になって析出します。これが水玉模様になるので、結構目立ってしまいます。
親水処理の場合。上図のようにメッキ面に親水性コーティングをした場合、水滴は大きく広がります。また、水栓金具には傾斜があるので、一部は縁から流れ落ちますので、残る水の量は少なくなります。下図のように乾燥した場合は、水垢の析出は大きく広がっているためにあまり目立たなくなります。しかし、水垢がないわけではありません。

親水性コーティングで水垢は目立たなくなっても、長い時間では全体が白くなってきます。この時は、お風呂用洗剤とメラミンフォームで磨く必要があると考えられますが、手入れの頻度は少なくて済みそうです。

これと同じような現象が外壁塗装で良く知られています。一時、撥水性の外壁塗料が汚れがつかないと考えられて流行したのですが、実際に使ってみると、汚れが逆にひどく目立つことがわかって、今ではあまり使われなくなりました。これも、水玉が乾いた時に汚れがひどく目立ってしまったためです。排気ガスのような油系の汚れも雨で流れ落ちないので、現在は親水系が主流になっています。

自動車のワックスも撥水性ですので、雨が水玉になって乾いた時に汚れが目立ってしまいます。このため、親水性のコーティング剤が今は普及するようになりました。しかし、自動車の場合は水玉になること自体を好まれる方が多いので、親水と撥水のどちらが良いかの結論はありません。

参考文献