当ブログEMMARINIでは、厚さ0.5μほどの薄いセラミックコーティングを処理したステンレス、アルミ合金製キッチン器具を紹介しています。このコーティング技術はEMMARINIオリジナルで、処分時に環境負荷の大きく、およそSDGsとは言えないフッ素樹脂に代わるコーティングを目指しています。今回は、透明なセラミックコーティングに黒インク(カーボンブラック)を添加してステンレスケトル(やかん)をデザインしました。ステンレスケトルの外側は使ってるうちに汚れが焼き付き、またはステンレス自身の熱変色で黄色くなってしまいお手入れが大変です。EMMARINIオリジナルの薄いセラミックコーティングは、親水性のために汚れ落としが簡単で、ステンレスを熱変色と傷からも保護します。鉛筆硬度もステンレスのHB程度から9Hにすることができます。これでステンレスケトルをさらに長く使うことができればより持続可能社会に貢献できるのではないかと考えています。
これが今回の作品です。猫のペアをデザインしました。
特長は金属光沢のあるブラックです。
ステンレスに耐熱性のシリコーン樹脂で黒く塗装したケトルは多くありますが、これらは塗装膜厚が大きいためつやがあっても金属光沢ではありません。また、黒いセラミックスやホーロー処理したケトルも多くありますが、これらはガラスと同じ無機物の光沢でやはり金属光沢ではありません。EMMARINIのコーティングは、顔料のカーボンブラックの大きさも1μ以下、コーティングの膜厚も1μ以下のため、黒く見えても実は透けています。このため、地肌の金属光沢が見えると考えています。
デザインはステンシル法で描画します。
黒を下層、透明を上層にしています。
左が元のステンレスケトルで、これにステンシル法で猫柄のマスキングをします。これに透明セラミックコーティング液とカーボンブラックを混合した塗装液を塗布します。マスキングを有機溶剤で除去した後、今度は透明セラミックコーティング液のみを全体に塗装して、これを250℃で焼きつけるとできあがりです。カーボンブラックは食品と接する部分には使えないため、外側のみになります。