今は調理器具は何でもかんでもフッ素コートの時代ですが、フッ素樹脂は処分が大変なため環境への負荷が大きく、持続可能を目指すSDGsとは相容れません。しかし、雪平鍋はフッ素コートされていないにもかかわらず大変使いやすい調理器具です。ここから何か開発目標のヒントがないか考えてみました。

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雪平鍋は実に重宝ですね。お湯沸かし、煮物、パスタソース作りから炒め物にだって使えます。材質はアルミで軽く明るい上に熱伝導が良く、すぐに温まります。表面はアルマイト処理されているか、アルミ素地のままが多いようで、フッ素樹脂コートされていないため、リサイクルしやすいと思います。ただ、表面が黒くなりやすいのが欠点で、無毒ですが気になる方は時々酸で洗って米のとぎ汁で煮てくださいと説明されています。もっと使い勝手が良くなれば、さらにSDGsに合致してくると思われます。

EMMARINIの透明セラミックコーティングで自作した雪平鍋です。アルミの黒い発色を利用して、皆さん自身で絵や文字で装飾でき、さらに再生できるのが特徴です。あとで作り方も書いておきますね。

今回は、雪平鍋を使ってアルマイトと、当ブログEMMARINIで紹介している透明セラミックコーティングのどちらがお手入れしやすいかを比較することにしました。

まずは、アルマイトと透明セラミックスの違いを簡単に説明します。アルマイトは金属アルミニウム素地を直接酸化してアルミナ系(Al2O3系)と呼ばれるセラミックスで被覆されるようしたものです。EMMARINIの透明セラミックスコーティングはシリカ系(SiO2系)と呼ばれるセラミックスを素地に塗布して被覆したものです。つまり、製造方法に違いはあるもののどちらもセラミックスで、アルミナかシリカかの化学組成の違いになります。また、見かけについてはアルマイトでは金属光沢が消えてしまいますが、EMMARINIでは薄いコーティングのため、上の写真のように鏡のような光沢を残すこともできます。

今回の実験に用いた、半分アルマイト半分透明セラミックコーティングの雪平鍋です。

市販のアルマイト加工雪平鍋の左半分はアルマイトを残し、右半分を紙やすりでアルマイトを除去してアルミ素地を露出させてから透明セラミックコーティング処理しました。透明セラミックコーティングでは猫の絵を描きました。

まず、油性マーカーインクの水だけでの除去性を調べたところ、透明セラミックスコーティングが優れていました。これは、親水性のためです。

次に、食材のくっつきにくさ比較のため、油をひかずにミートソースを作ってみました。

雪平を予熱してから、ひき肉、きのこと人参を炒め、トマト、ワイン、チーズを加えて煮込みました。
できたソースをしゃもじで取りだした後はこんな感じです。アルマイトの方では思いっきりくっついてしまいました。
このまま洗うと配水管がつまってしまいそうなので濡れたキッチンペーパでふき取ることにしました。
透明セラミックコーティング部分は水拭きで充分きれいになりましたが、アルマイトでは相当にやっかいでとても取り除くことができませんでした。

透明セラミックコーティングは水拭きだけできれいになりました。

この透明セラミックコーティング雪平なら、油を紙でふき取れるので、キャンプでは洗剤と油で自然を汚さずに済み、家庭でも下水管と排水管のつまりを防ぐことができそうです。他にも、耐熱衝撃性(急熱急冷したときに剥がれや亀裂ができない)、耐酸性、耐アルカリ性も透明セラミックコーティングの方がアルマイトよりも優れていることがわかっています。今回の実験で調理器具としての優劣がはっきりしました。この理由として透明セラミックコーティングは親水性のため鍋表面と食材の間に水膜ができやすい点が考えられました。また、フッ素樹脂のように、食材はくっつかなくても、油汚れをふき取りにくいという問題もありませんでした。

透明セラミックコーティングはご自身で実施していただけます。描画をデザインして、料理と飾りの両方を楽しむことができます。再生も可能です。コーティング塗装キットはブログショップEMMARINIで販売しています。

冒頭写真の「おいでやす招き猫の雪平鍋」の作成マニュアルです。

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アルミフライパンの装飾方法マニュアルについても別の投稿で紹介しています。こちらからお進みください。

[オンリーワンフライパンを手作りしてみませんか?】 | Blog EMMARINI